防爆仕様とは

化学工場やプラントなどで漏れでた可燃性ガス・蒸気が空気と混合し、爆発に達する恐れのある場所が「危険場所」とされています。防爆仕様とは、このような危険場所で電気機器が点火源となる確率を0にするべく対策を施すことを示しています。

防爆構造の種類

本質安全防爆構造

電気機器が正常状態および仮定した故障状態においても電気回路に発生する火花、アークまたは熱が、可燃性ガスまたは蒸気に点火するおそれがないことが点火試験等により確認された構造です。

  • エレベーター部品例
    • 操作盤(押しボタンスイッチ・表示器)
    • 各種安全スイッチ
    • インターホン(非常用電話機)
    • 接点信号変換器 等
  • メリット
    • 0種場所で使用可能
  • デメリット
    • 防爆化できる機器が限定される
本質安全防爆構造

耐圧防爆構造

密閉された爆発に耐える容器に電気部品が覆われている構造です。万が一可燃性ガスまたは蒸気が、容器の内部に侵入して爆発が生じた場合でも、容器が爆発圧力に耐え、かつ爆発による火炎が外部の可燃性ガスまたは蒸気に点火しません。

  • エレベーター部品例
    • ドアモーター
    • 照明
    • 点検用コンセント
    • 接続箱 等
  • メリット
    • 防爆化が比較的容易
    • 小形、中形電気機器の防爆化に最適
  • デメリット
    • 容器強度が必要なため、大きい・重い
    • 爆発等級3およびグループIIC機器の製作が困難
    • 内蔵機器が破損するおそれがある
耐圧防爆構造

安全増防爆構造

正常状態では点火源となる恐れがない電気機器において、更に安全度を増加する措置を講じた構造です。手段としては絶縁性能の増強や温度上昇の低減・外部からの損傷等に対する安全性を高めたものです。

  • エレベーター部品例
    • 照明 等
  • メリット
    • 軽量
    • 爆発等級3およびグループIICに対応可能
    • 技術的基準では1種場所でも使用可能
  • デメリット
    • 防爆化できる機器が限定される
安全増防爆構造

エレベーターの電気設備を防爆化

ニチウンの防爆仕様エレベーターは、機械室を除いた昇降路内において防爆構造の電気機器を使用しています。危険雰囲気(爆発性ガス)が発生する可能性のある場所において電気的火花が原因による爆発を引き起こさないように対策をたてたものです。
操作盤・昇降路内リミットスイッチなどで、本質安全防爆構造を採用。トラブルが発生しても安全性を確保します。
ただし、本質安全防爆構造は、防爆化される機器が限定されるため、そのほかの電気機器(かごドアモータ・かご内照明)には、耐圧防爆構造・安全増防爆構造を採用しています。

昇降路の概念図

防爆電気機器を使用した、エレベーターの概念図です。機械室は非危険個所、昇降路は防爆エリアとなります。一般構造スイッチを機械室内の制御盤本質安全(バリア)により防爆エリア内での設置を可能にしています。本質安全対応ができない電気機器(カゴドアモーターなど)は、耐圧防爆構造の機器にて対応しています。
ロープ式エレベーターの場合は機械室から昇降路へのロープ開口が必ず発生するため対策が必要な場合があります。油圧式エレベーターは機械室と昇降路を完全に区画分けすることが可能です。また、機械室の位置も昇降路に隣接する場合や最上階への設置など自由度が高くなります。

電気設備を防爆化

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